時間とはなにか





アウグスティヌスによると、時間とは川の流れのような客体ではなく、あくまで
内在として過去と未来、そして現在を与える働きをするものであるという。
さらにハイデガーは彼の考えを敷衍し、現存在に棹差した根源的時間の認識と
本来的時間性を孕む「覚悟」について言及した。
一方、現代自然科学においては、時間はマクロ世界のエントロピー増大過程に現出するものと仮定され、ミクロ世界での時間の不在について論議を醸している。
去年見てし 秋の月夜は 照らせれど
相見し妹は いや年離る(柿本人麻呂)
現象と存在。それらに一定の理解を自覚はしながらも、先人と相変わらず
秋空に揺蕩う月を見て涙してしまうのはなぜなのだろうか。

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