バブルスライム娘 Yes
→Yes
ざらりとした大きな舌に撫で回されるような不快感と、苦しさ。
どす黒い感情が、めまいを覚えるほどに、身体の表面から内部へ揺さぶりをかける。
絶え間なく続くぶよぶよした圧力は、苦しさを生むほどに、俺の感情を逆なでした。
そこで、開く必要のない眼を、開けた。
その後は、よく覚えていない。
というのは、急激な感情、あるいは心の収束を感じたあと―――
―――洞窟の入り口に横たわっていたところを、行きずりの旅の商人に起こされたためだ。
あれは、死の息吹を間近に感じたあの経験は、本物だったかどうかは定かではない。
しかしながら、今こうして呼吸し、存命している事実だけで、俺の胸は張り裂けんばかりに幸福に打ち震えていた。
あれは悪夢だったのだ。
何かを伝えんがためのメッセージ。
俺は後ろを振り返った。
澄んだ青空が、俺の頬を照り返す。
俺は、俺の行く末を考え直す時間を、たしなめる時間を、こうして与えられた。
end
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ざらりとした大きな舌に撫で回されるような不快感と、苦しさ。
どす黒い感情が、めまいを覚えるほどに、身体の表面から内部へ揺さぶりをかける。
絶え間なく続くぶよぶよした圧力は、苦しさを生むほどに、俺の感情を逆なでした。
そこで、開く必要のない眼を、開けた。
その後は、よく覚えていない。
というのは、急激な感情、あるいは心の収束を感じたあと―――
―――洞窟の入り口に横たわっていたところを、行きずりの旅の商人に起こされたためだ。
あれは、死の息吹を間近に感じたあの経験は、本物だったかどうかは定かではない。
しかしながら、今こうして呼吸し、存命している事実だけで、俺の胸は張り裂けんばかりに幸福に打ち震えていた。
あれは悪夢だったのだ。
何かを伝えんがためのメッセージ。
俺は後ろを振り返った。
澄んだ青空が、俺の頬を照り返す。
俺は、俺の行く末を考え直す時間を、たしなめる時間を、こうして与えられた。
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